友達のフランス人とファンキーラブリーガールと夜

 

今日も適当に大学に向かって、今度大阪である展示の作品を作っていたら、家族への予定の報告をサボってたツケでマジギレの、そして更に強制送還させる旨のラインが来ていて、見た瞬間全部無理で全てが嫌になってゼミの後輩からタバコをもらって喫煙所にタバコを吸いに行った。死ねばいいのにな、と思いながらぼーっとタバコをふかして、戻ると最近仲のいいファンキーラブリー後輩に遭遇して、タバコ吸いに行きましょうと言われてまた喫煙所に戻ってまた後輩からタバコを貰ってタバコを吸った。聞くと今日、最近街に旅行でやって来て、そのまま2週間ほど滞在することになったフランス人が彼女の英語サークルの集まりにやってくるらしい。自分も顔見知りだったので、ホイホイと参加することになった。

 

5時ごろに到着する彼を待って、三人で一緒にタバコを吸って、英語サークルの集まりに向かった。

 

サークル活動を8時に終えて、フランス人とファンキーラブリーと一緒に駅前の珈琲屋に向かったら、店主に今日は疲れてるから3階のボトルカフェ&バーに行ってくれと言われ、そのまま3階に向かってだらだらと話ながらビールを飲んでいた。

 

フランス人は街で最初にリノベーションを始めた人のところで働いており、同時に彼の家に滞在しているのだが、彼は街の写真を100枚スマホで撮って、文章とともにインスタグラムにまとめるプロジェクトをしているという。見たところ非常に考現学とかと似た視点で、君は街を観察している観察者なんだね、と言うとあ!そう!そうなんだよね〜と、まさにその言葉を探していたんだと言う感じであった。美術を勉強していることを向こうは知っているので、今度ドローイングを見せてくれと言われた。

 

ファンキーガールは幸せそうにゆらゆらと揺れながらホットのワンカップを飲んでいて、我々はジェンダーや日本の文化と西洋文化との差異、映画、日本語の表現の違いの面白さ(I love talk with you の意味のloveは日本語には無く、とにかく礼儀を重視する等)、なぜ彼が尾道にやって来たのかを話し合った。彼が言うには、社会の中の振る舞いには本当に大きな差異があり、例えばフランスなら頬にキスをしあうことは挨拶であったり、女性が男性にタバコの火をつけることはこの後性的な接触をしようと言う暗黙のサインだったりすること(なので日本のスナックや性産業が本当に女性に権利がないみたいで嫌だと言っていた、し、こういう意識が今後日本にも根付くのだろうなあと思う)、お酒を乾杯するときに、ヨーロッパや日本ではお互いにこの場を楽しもうと言う意識だが、トルコではテーブルに置いて、ここにいない家族や来れなかった人のことを思いましょうと言う意味だと言うことを教えて貰った。中でもフランス式ハグの実演には結構笑ってしまった。ただ、やっぱり私も他人とハグするときはまだ少しドギマギしてしまう。日本人だなあとこう言うとき意識する。

私の英語はまだまだ拙いために、あまりきちんと彼の意味を汲み取れなかったり、I will earn money をI make my money とか言ってしまって、きちんと使いこなせていないけど、そう言うコミュニケーションの中で生まれてしまう隙間みたいなところは、アルコールとタバコ、ファンキーガールの可愛さが補ってくれたように思う。自分の英語能力は、頭の出来もあるんだろうけど、瞬時に相手に返答をすることができないレベルだし、多分きちんと理解するための聴く力が弱いために、相手に不信感を抱かせてしまっている気がするので、聴く力をきちんとつけることが重要だと思う。彼はもう今日でタバコをやめるみたいので、次回どうなるかだが。健康な期間と不健康な期間で区切っているらしい。

気づけば、最終的に床ラブなファンキーに促されるままに床で座って話をしていた。今度は昼に山に登って瞑想する約束をして、今宵は御開きとなった。

 

自分だけ二人と逆方向に帰るので、店の前でバイバイと言って、肩を組みながら帰る二人の背中をちらりとみた。ファンキーガールのキラキラしたピアスが商店街の蛍光灯を反射して、灯の落ちた中を歩く二人の影はなかなかにフォトジェニックだった。

帰りながら自分たちの今の生活が古来より続くものではなく、今の自分たちの食生活も自分たちに都合のいいように作り変えられたただの仕組みと欲望の発露でしか無いことを考えていた。